DDR5メモリの購入競争、相手の9割は「ボット」だった——自作PCユーザーが知るべき実態

2026年8月31日月曜日

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「メモリが全然買えない」「見つけても値段が異常に高い」——ここ最近、PCを自作したり増設したりしようとして、そんな壁にぶつかった人は多いのではないでしょうか。DDR5メモリの価格高騰自体はもう聞き慣れたニュースかもしれませんが、実はその裏で、もっと生々しい現実が起きていました。

海外のボット対策企業が発表した最新の調査によると、あるDDR5メモリ小売サイトへのアクセスのうち、実に91%が「ボット」だったというのです。私たち人間の買い物客は、その裏でひっそりと10分の1のシェアを争っていたことになります。この記事では、その実態と、私たちにできる現実的な対策を整理します。

この記事のポイント

  • あるDDR5メモリ小売サイトで、トラフィックの91%が自動化されたボットだったことが判明
  • 1時間に91の商品ページへ約5万件のリクエスト、1商品あたり6.5秒に1回のペースで巡回
  • ゲーミング向けメモリだけでなく、産業用メモリやDDR5用コネクタメーカーのページも標的に
  • 安値在庫を瞬時に検知して買い占め、高値で再出品する転売手口とみられる
  • 個人でボットに対抗するのは難しいが、買い方の工夫でリスクは減らせる

「買えない」のは気のせいじゃなかった

DDR5メモリの価格が高騰していること自体は、多くの自作PCユーザーがすでに実感しているところだと思います。データセンター向けのAI需要拡大により、汎用メモリの供給が逼迫していることが背景にあるとされています。ただ、今回明らかになったのは、その供給不足に「自動化された買い占め」という別の要因が重なっているという点です。

ボット対策を専門とするセキュリティ企業の脅威分析責任者が、自身のSNS上で明らかにしたところによると、ある小売サイトのDDR5メモリ商品ページへのアクセスのうち、正規の買い物客はわずか9%にとどまり、残る91%は自動化されたボットによるものだったとのことです。

1商品を6.5秒に1回チェックする執拗さ

その執拗さも尋常ではありません。調査では、わずか1時間の間に91の商品ページへ約5万件のリクエストが記録されており、これは1商品あたり平均で6.5秒に1回のペースで在庫状況を確認していた計算になります。人間の買い物行動とは明らかに異なる、機械的な監視のパターンです。

“91% of the traffic hitting one retailer's DDR5 RAM product pages”
(訳:ある小売業者のDDR5メモリ商品ページに届くトラフィックの91%)

この調査を伝えた海外メディアによると、標的となっていたのはゲーミング向けメモリキットだけではありませんでした。産業用メモリや、DDR5用のソケット・コネクタを手がけるメーカーの製品ページに対しても、同様の自動化されたアクセスが確認されていたといいます。

💡 リクエスト数=購入数ではない点に注意

この91%という数字は、あくまで「商品ページへのアクセス数」の話であり、実際に何個の在庫が買い占められたかを直接示すものではありません。調査元自身もこの点に触れており、数字を見るときには「監視の激しさ」を示す指標として捉えるのが適切です。とはいえ、それだけの頻度で監視されている以上、入荷直後の在庫が瞬時に消えてしまう状況は容易に想像できます。

転売ヤーはどうやって利益を得ているのか

こうしたボットの狙いは、値下げされた在庫や新規入荷を誰よりも早く検知し、即座に購入して、後から高値で再出品することだと考えられています。海外の報道では、通常より大幅に安いメモリキットが、購入から間もなく別の出品者によって3割以上高い価格で再出品されている例も紹介されていました。

  • ⚠️人気の容量帯ほどボットの標的になりやすい
  • ⚠️正規価格の在庫が消えると、割高な出品ばかりが目立つようになる
  • 👍すべての高額出品がボットの仕業とは限らないため、冷静な見極めも必要

私たちにできる、現実的な対策とは

正直なところ、個人がボットとの速度勝負に勝つのはほぼ不可能です。戦い方を変えることが、今できる一番現実的な対策と言えそうです。

  1. 単品のメモリ単体を狙わず、マザーボードやCPUとのセット販売・バンドル価格を探す
  2. 手持ちのPCがDDR4に対応しているなら、DDR4という選択肢も検討する
  3. 大手ECサイトだけでなく、地域の実店舗や中小の販売店もチェックしてみる
  4. 入荷通知・値下げ通知を複数のサイトで設定し、こまめにチェックする
  5. 異常に高い出品には飛びつかず、価格が落ち着くタイミングを待つ選択肢も持っておく
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「早い者勝ち」だと思っていた争いの相手が実はプログラムだったと知ると、なんだか脱力してしまいますよね。ただ、無理に消耗戦に付き合う必要はありません。

すでに手元のPCにメモリを積む余地がある場合は、増設用メモリ(ノートPC/デスクトップ用)の在庫状況をこまめにチェックしつつ、無理のない価格帯のものから検討するのがおすすめです。

🌱 ちょっと余談

今回の調査を行ったのは、ボット対策そのものを事業とする企業です。自社の技術を宣伝する狙いも当然あるとみられるため、数字を鵜呑みにしすぎず、あくまで一つの参考情報として捉えるとよいでしょう。

メモリ増設が難しいなら、別の切り口も検討したい

どうしてもメモリの増設が難しいタイミングであれば、発想を変えて外付けSSD(ストレージ拡張用)でストレージ面の不足を先に解消し、メモリの買い時が落ち着くまで様子を見るという手もあります。すべてを一度に解決しようとせず、優先順位をつけて対応するのも一つの手です。

まとめ

DDR5メモリが「買えない」背景には、単純な供給不足だけでなく、自動化されたボットによる激しい監視・買い占めという要因も重なっていることが、今回の調査で浮き彫りになりました。個人がボットと同じ土俵で戦うのは現実的ではないため、バンドル購入や代替案の検討、こまめな情報収集といった工夫で、消耗戦を避けていくのが賢明です。

まずはご自身のPCの空きスロットやDDR4対応の有無を確認し、無理のない範囲でパーツ探しを進めてみてください。

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