キオクシア決算が過去最高更新、NAND価格高騰でSSDは今後どうなる?

2026年9月8日火曜日

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「最近SSDやUSBメモリが値上がりしている気がする」——パソコンショップやECサイトを見ていて、そんな印象を持った方もいるのではないでしょうか。その背景には、NAND型フラッシュメモリを手がけるキオクシアホールディングスの、記録的な決算があります。この記事では、決算の内容をかみ砕いて紹介しつつ、私たち消費者の生活にどう関係してくるのかまで整理します。

この記事のポイント

  • キオクシアの2026年4〜6月期決算が過去最高の純利益を記録したこと
  • 好調の背景にあるAIデータセンター向けNAND需要の急拡大
  • 好決算にもかかわらず株価が下落する場面があった理由
  • 2026年10月1日付で実施される株式分割の狙い
  • 消費者にとって気になる、SSDなどストレージ製品の価格動向

純利益46倍、そして次の四半期はさらに31倍見込み

キオクシアホールディングスの2026年4〜6月期(2027年3月期第1四半期)決算は、純利益が前年同期比46倍の8,421億円となり、主要な指標がいずれも過去最高を記録しました。さらに続く7〜9月期については、前年同期比31倍の1兆2,700億円という純利益の見通しも発表されています。

四半期ごとの数字が前年の数十倍という水準は、通常の企業決算ではほとんど目にすることのない規模感です。この急成長を支えているのが、NAND型フラッシュメモリの販売単価の急上昇です。4〜6月期には、販売単価が前四半期比で約7割も上昇したと報告されています。

なぜここまで値上がりしているのか

NAND型フラッシュメモリは、SSDやUSBメモリ、スマートフォンのストレージなど、幅広い製品に使われている記憶素子です。近年の生成AIブームにより、AIデータセンター向けのSSDやストレージ需要が急拡大しており、需要が供給を上回る状態が続いていると、キオクシア自身も説明しています。

データセンター・エンタープライズ向けの売上は、AIの推論処理(エージェンティックAI)需要を背景に大きく伸びており、2026年度通期でも需要が供給を上回る見通しが続くとされています。つまり、少なくとも当面の間、NAND製品の値下がりは期待しにくい状況が続く可能性が高いということです。

意外な展開:好決算なのに株価は下がった

ここで一つ、興味深いポイントがあります。これほどの好決算にもかかわらず、実際の純利益額が事前の市場予想(コンセンサス)をやや下回ったことから、決算発表後に株価が下落する場面が見られました。

これは、株式市場が「良い決算かどうか」だけでなく、「市場が期待していた水準を超えたかどうか」という相対的な基準で反応することを示す、分かりやすい例といえます。すでに株価が大きく上昇し、市場の期待値そのものが極めて高くなっていた分、期待をわずかに下回っただけでも、売りが出やすくなっていたと考えられます。

10月1日、1株を3株にする株式分割の狙い

もう一つ、今回あわせて発表されたのが、2026年10月1日を効力発生日とする1株を3株にする株式分割です。あわせて、発行済み株式総数の5.5%にあたる、最大8,000億円規模の自社株買いも発表されています。

この株式分割の背景には、株価上昇にともなって最低投資金額が400万円程度にまで膨らんでいたという事情があります。東京証券取引所は、個人投資家が投資しやすい環境を整えるため、最低投資金額を50万円未満に抑えることが望ましいとしており、今回の分割はこの水準に近づけるための対応と見られます。

💬

「1株を3株にする」と聞くと得をした気分になりますが、企業価値そのものが変わるわけではなく、あくまで1株あたりの値段を下げて買いやすくする調整だという点は、押さえておきたいポイントです。

項目 内容
2026年4〜6月期 純利益 8,421億円(前年同期比46倍)
2026年7〜9月期 純利益見通し 1兆2,700億円(前年同期比31倍)
株式分割 1株→3株、2026年10月1日効力発生
自社株買い 最大8,000億円、8月3日〜10月30日

私たちの生活への影響:ストレージ製品は当面値上がり傾向

投資家でなくとも、この決算内容は無関係ではありません。NAND価格の上昇は、いずれSSDやUSBメモリ、外付けストレージといった身近な製品の店頭価格にも波及していく可能性があります。パソコンの買い替えや、ストレージ増設を検討している方は、この需給動向を知っておいて損はありません。

  • ⚠️NAND需要は2026年を通じて供給を上回る見通しで、当面値下がりは期待しにくい
  • 👍ストレージの増設や買い替えを予定している場合、価格動向を早めにチェックしておくと安心
  • 投資の観点では、決算が良くても株価が下がることがある、という点を理解しておく

ストレージの増設を検討している方は、外付けSSDUSBメモリの価格を早めに確認しておくとよいでしょう。なお、今後の値動きを断定することはできないため、あくまで一般的な市況動向としてご参考ください。

また、こうした決算のニュースを自分なりに読み解けるようになりたいという方は、日本株投資に関する入門書籍で決算書の基本的な見方を押さえておくと、今回のような「好決算なのに株価が下がる」という一見不思議な値動きの理由も理解しやすくなります。本記事は特定銘柄の売買を推奨するものではなく、一般的な情報提供です。投資判断は最新の一次情報を確認のうえ、自己責任で行ってください。

なお、本記事の内容は2026年9月時点で公表されている決算情報等にもとづいています。株価や市況は日々変動するため、最新の情報は各社の公式発表や証券会社の情報でご確認ください。

まとめ

キオクシアの決算は、生成AIの普及がデータセンターの記憶装置需要を通じて、半導体メモリ業界に大きな追い風となっていることを、数字ではっきりと示すものでした。一方で、好決算でも株価が下がるという展開は、市場の期待値そのものが評価に大きく影響することを教えてくれます。

私たち消費者としては、NAND価格の上昇がストレージ製品の価格に波及しうるという点を踏まえ、必要な機器の購入タイミングを見極めていきたいところです。10月1日の株式分割後、実際の株価がどう推移していくのかも、あわせて注目していきましょう。

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